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卵巣がん患者のライフスタイルよくあるお悩み

卵巣がんの原因・症状について

卵巣がんとはどのような病気か教えて下さい。

卵巣がんとは、卵巣から発生する悪性腫瘍のことをいいます。

日本における卵巣がんの罹患率は1985年から上昇傾向で、年間に約13,000人の女性が新たに卵巣がんに罹患し、約4,800人が亡くなっています。

【参考文献】

がんの統計編集委員会編:『がんの統計'19』,公益財団法人がん研究振興財団

卵巣がんの原因を教えて下さい。

卵巣がんの多くは閉経後に発症します。排卵回数が多いほど発症の危険性が高まります。食事などの生活習慣や肥満、子宮内膜症なども原因のひとつとされています。

また関連する遺伝子の異常にも、様々なものがあります。

【参考文献】

日本婦人科腫瘍学会編:患者さんとご家族のための子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん治療ガイドライン第2版,金原出版,2016.

遺伝性卵巣がんについて教えてください。

生活環境による要因のほかに、遺伝的な要因が関与している場合もあります。このうち、特定の遺伝子の病的な変異が親から子へと伝わり、それが原因で発症する卵巣がんを「遺伝性卵巣がん」といいます。

国内で行われた研究の結果、卵巣がんと診断された患者さんのうち17.8%の方が、特定の遺伝子に病的変異がある遺伝性卵巣がんであることが分かりました。比較的若い年齢で卵巣がんになった患者さん、卵巣がんになったご家族がいる患者さん、特定のタイプの卵巣がんの患者さんでは、こうした遺伝性卵巣がんの可能性が高いことも分かりました。

【参考文献】

Hirasawa A, et al. Oncotarget 2017; 8: 112258-112267

卵巣がんにはどんな症状がありますか。

卵巣がんは自覚症状に乏しく、「サイレントキラー(無言の殺人者)」と称されています。比較的多い症状は腹部膨満感(おなかの張り)ですが、患者さんは「太った」と勘違いされることが多く、特別な症状がないため、早期発見が難しいことが多いです。症状だけで診断することは困難なため、気になることがある場合は医師へご相談ください。

境界悪性腫瘍と診断されましたが、がんとは違うのでしょうか?

良性と悪性の中間的な性質と考えられる腫瘍です。

一般的に経過や予後は良いことが多いですが、稀に悪性腫瘍と同じように転移や再発をすることもあり、その場合には卵巣がんと同様の治療を行います。

また、10〜20年経ってから再発する例もあるため、長期的な経過観察が必要とされています。治療法等については、主治医にご相談ください。

【参考文献】

日本婦人科腫瘍学会編:患者さんと家族のための子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん治療ガイドライン第2版,金原出版2016

診断・検査について

卵巣がんの可能性があるが、確定ではないと言われました。がんなのでしょうか?

卵巣にできた腫瘍が良性か悪性かを判断するには、MRI等の画像診断も有用ですが、診断を確定させるには、腫瘍の組織・細胞をとって顕微鏡で詳しく調べる検査(病理検査)を行う必要があります。卵巣は腹腔内にあるため、組織をとるためには、多くの場合、手術が必要です。最近では患者さんへの負担を抑えるため、腹腔鏡手術が行われることもあります。最終的な病理診断の確定には通常、手術後1〜2週間かかります。

【参考文献】

国立がん研究センターがん対策情報センター,がん情報サービス 卵巣がん

(https://ganjoho.jp/public/cancer/ovary/treatment.html)

日本婦人科腫瘍学会編:患者さんとご家族のための子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん治療ガイドライン第2版,金原出版,2016.

日本婦人科腫瘍学会編:卵巣がん・卵管癌・腹膜癌治療ガイドライン2020年版,金原出版,2020

遺伝性の卵巣がんについて

遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)とはどういったものですか?

BRCA遺伝子に生まれつき病的な変異を持つことで、乳がんや卵巣がんをはじめとするがんが発症しやすい状態を「遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)」といいます。ご自身が卵巣がんや乳がんになった場合や、そのようなご家族がいる場合など、家族歴、病歴で疑われることもありますが、確定診断は患者さんの血液を用いたBRCA遺伝子検査でおこないます。

【参考文献】

Meindl A, et al. Dtsch Arztebl Int 2011; 108:323-330

Enomoto T, et al. Int Gynecol Cancer. 2019; 29: 1403-1049.

遺伝子検査の結果が治療に影響するのですか?

BRCA遺伝子に病的な変異がある場合でも、治療法は通常の卵巣がんと同じように、手術療法と薬物療法の組みあわせが基本となりますが、BRCA遺伝子の病的変異の有無によって、推奨される薬物療法が異なることがあります。詳しくは、担当医師へお尋ねください。

【参考文献】

山内英子編:実践!遺伝性乳がん・卵巣がん診療ハンドブック,メディカ出版,2017.