治療薬を選ぶための検査

卵巣がん診療では、卵巣がん診断後、
治療薬を選ぶための検査を行うことがあります。

HRD(エイチアールディー)
検査について

HRD検査は、手術や生検などで摘出したがん組織を用いて、がん細胞が HRD(相同組換え修復欠損)の状態であるかどうかを調べる検査であり、治療薬を選択するために行われます。 HRD とは、DNA を修復する仕組みの一部が働いていない状態のことで、卵巣がん患者さんの約半数※ が HRD だといわれています。**
HRD 検査によって、HRD の要因のひとつである BRCA 遺伝子の変異も検出することができます。検出された BRCA 遺伝子の変異が、遺伝によるものかどうかを知りたい場合は、BRCA 遺伝子検査で調べることが可能です。

※「漿液性卵巣がん」患者の約半数

HRD(エイチアールディー)検査

BRCA(ビーアールシーエー)
遺伝子検査について

BRCA遺伝子検査は、採血した血液を用いて、血液細胞のBRCA遺伝子に病的な変異があるかどうかを調べる検査です。 治療薬を選択するためだけでなく、遺伝によるがんかどうかを判定するためにも行われます。
BRCA遺伝子に生まれつき病的な変異があり、それによって乳がんや卵巣がんをはじめとするがんが発症しやすい状態を「遺伝性乳がん卵巣がん症候群( HBOC )」といいます*。 HBOC( エイチビーオーシー)かどうかを知ることで、将来がんになるリスクやご家族への影響を把握して、定期的ながん検診による早期発見、早期治療につなげることができます。

BRCA(ビーアールシーエー)遺伝子検査
遺伝性乳がん卵巣がん症候群について

HRD検査とBRCA遺伝子検査は、
すべての医療機関でできるわけではありません。
詳しくは主治医にご相談ください。

【参考】HRD または
BRCA遺伝子変異と判定されたら、
どんな治療をうけるの?

HRD検査やBRCA遺伝子検査の結果にかかわらず、治療法は通常の卵巣がんと同じように、手術と抗がん剤治療が基本となります。* ただし検査の結果、HRDまたはBRCA遺伝子変異と判定された場合は、治療薬の選択肢が増えることがあります。さらにHRDの状態は、抗がん剤治療の効果とも関連することが分かっています。* 詳しい治療法は、主治医にご相談ください。

  1. spanpanThe Cancer Genome Atlas Research Network. Nature. 2011;474(7353):609-615.
  2. Konstantinopoulos PA, et al. Cancer Discov. 2015;5(11):1137-1154.
  3. 一般社団法人日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構:遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)をご理解いただくためにver.2020_1, p5, 2020
  4. 山内英子(編):実践!遺伝性乳がん・卵巣がん診療ハンドブック,メディカ出版,p50,2017
  5. Patch AM, et al. Nature. 2015;521(7553):489-494.