進行期別の治療方針(初回治療)

進行期別の治療方針(初回治療)1)2)

卵巣がんの治療は、いずれの進行期でも最初に手術を行ってがんをできるだけ取り除いたのち、抗がん剤治療(化学療法)を追加するのが基本です。また、Ⅲ~Ⅳ期の患者さんでは、抗がん剤治療と分子標的薬を併用したり、抗がん剤治療後に、がんの再発リスクを減らす「維持療法」として分子標的薬が用いられることもあります(図1)。

図1 進行期別の治療方針

進行期別の治療方針

1)2)をもとに作図

1)日本婦人科腫瘍学会(編):卵巣がん治療ガイドライン 2015年版, 金原出版, p19, CQ18アップデイト, 2015. https://jsgo.or.jp/guideline/img/ransou2015_cq18.pdf
2)日本婦人科腫瘍学会(編):患者さんとご家族のための子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん治療ガイドライン 第2版, 金原出版, p156-157, 2016

手術

がんを取り除くために行う治療で、抗がん剤治療の前に行うのが基本です。しかし、がんを完全に摘出できないと予想される場合は、先に抗がん剤治療を行ってがんを小さくしてから手術を行うことがあります。手術中にがんがお腹のあちこちに広がっていることが分かった場合は、できるだけ多くのがんを摘出する手術(腫瘍減量術)を行います。

抗がん剤治療(化学療法)

卵巣がんは他のがんと比べて抗がん剤がよく効くがんで、手術をした後に抗がん剤治療を追加するのが基本です。卵巣がんの進行期や組織型などに応じて様々な抗がん剤治療が行われます。

抗がん剤治療の選択肢

卵巣がんの抗がん剤治療は多くの場合、2つの薬を併用して進められます。ひとつはプラチナ製剤と呼ばれる種類の薬で、がん細胞内でDNAが作られないようにしてがん細胞を死滅させると考えられています。もうひとつはタキサン系製剤と呼ばれる薬で、がん細胞が分裂できないように作用します。作用の仕方が異なる薬を一緒に使うことによって、効果を強めることができます。点滴や注射で静脈内に投与します(静脈内化学療法)。抗がん剤治療では最も一般的な投与方法です。

分子標的治療

分子標的薬は、がん細胞の中にある特定の物質(分子)の働きを妨害することによって、がん細胞の増殖や転移を抑える薬です。抗がん剤と一緒に使ったり、抗がん剤治療が終わった後にがんの再発リスクを減らす「維持療法」として使ったりします。

分子標的薬の選択肢

卵巣がんで使われる分子標的薬には、「血管新生阻害剤」と「PARP(パープ)阻害剤」と呼ばれる2つの薬があります。
「血管新生阻害剤」は、がんに栄養や酸素を運ぶ血管の形成に必要な物質(血管内皮細胞増殖因子:VEGF)に作用して、がんの成長や増殖を抑える薬です。薬は点滴で静脈内に投与します。
「PARP阻害剤」は、DNAの傷を修復するために必要な「PARP」という物質の働きを阻害して、がん細胞の増殖を抑える薬です。飲み薬です。

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